新しい月を迎えて

ひときわ輝く小さな光

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

 「もし保育園が火事になったら、どうしますか?」
ばら組の子どもたちは、
「ハンカチを口に当てる」、
「背を低くして、外に逃げる」
とこたえてくれます。
きちんと、避難訓練で保育者が伝えている約束を受け止めてくれているな、と安心します。

 先日、たんぽぽ組の子に同じ質問をした時にこのようなこたえが返ってきました。
「ママとパパに『助けて』っていうんだよ」
遠く離れたところにいるご家族に助けてもらうというのです。
私「どうやって?」
「こうだよ」といって、電話をかけるふりをしてくれました。なんとも、その仕草がかわいらしくて、うれしくなりました。
同時に、子どもの安心の中心が保護者の方にあるということを実感し、しっかりとした親子のつながりが、時間や場所を越えていると思わされたことでした。
 
保育園ではアドヴェント(待降節)を迎えています。
 どこにいても安心できない世の中に、神様はいつでも共にいてくださるイエス様という存在を与えてくださって、その喜びは今もこれから先も続くのだと教えてくださったのがクリスマスです。
 いつの時代でも、暗闇があります。その中で、ひときわ輝く小さな光があるということを子どもから、教えてもらうクリスマス。
 
祈りつつ、丁寧にその喜びを味わいたいと思います。

今はほうっておいて!

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

「よろしかったらお声掛けください。」
衣料品のお店などで、店員さんに積極的に声をかけられるのが苦手な方は、この言葉を聞くと安心する人がいます。
 その一方、店内を見て回るけれど、一向に声がかからず、聞きたいことがあってもお店の人がこちらに意識が向いていないために、そのまま帰ってしまうというケースがあります。
 さて子どもたちにとっての保育者はどうでしょうか。
乳児クラスの場合は、言語発達の未成熟さにあわせて、大人が気持ちを汲み取って言葉に変えることがあります。
 「積み木をながくならべたね。でんしゃかな。じゃあ、えきはこちらですよ」、
 「かしてって言えたね。今○○ちゃんは使っていたから、かしてもらえなかったんだね。かなしかったね。」などです。
 幼児クラスになると、自分の気持ちを自分で言葉にして表現するようになります。
 保育者は、「いつでも見ています。おはなし聴きます」のシグナルは送りつつ、言葉の先取りをしないように気をつけ、子どもたち同士、どのように話しているのかを見極めます。
 そう言いながら、わたしはつい先日、幼児クラスの子に、「●ちゃん、お給食を食べましたか」と声をかけたところ、「園長先生、今はほうっておいて!」と返ってきました。
 その子にとって、一人の大切な時間だったと後で思わされました。おせっかいの失敗談です。声をかけるタイミングも大切ですね。

いつもの状態を知れば知るほど

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

 子どもたちの夢中になって遊ぶ姿に、愛おしさをおぼえます。とくに、0歳児クラスはこのところ著しく活発に動くようになりました。
 安心できる保育者のひざ元から少しずつ、遊びに移っていく姿に喜びを感じます。0歳児の子どもたちは手指の感覚よりも口の触覚の方が優位であり、いろいろなものを口に入れようとします。鈴の鳴るおもちゃをなめて見たり、ポットン落としの箱や棚の角を噛んでみたり、常日頃から衛生に気を使いつつ、少しずつ行動の範囲が広がっていくことに、こちらの工夫が試されます。
 
 また言語化されない時期の子どもの表現を大人がどのように受け止めるのか、私たちは五感全体を用いていることに気づきます。たとえば、保育者の膝によりかかる体重のかけ方や、洋服の裾を握る手の強さなど、いつもの状態を知れば知るほど、その大切さに気付かされます。
 
 4月入園の子は5ヶ月が経過しました。それぞれにできることが増え、感情の表し方や個々の性格、大事にしたいこだわりも知ることができるようになった時に、一層自らの敏感さを求める思いになります。
 例えば、色別のカップを積み上げていた時に、ガラガラと崩れて、それが面白くなってケタケタと笑う。かさねては崩して、笑う。それを見て、保育者も一緒にもらい笑いしてしまう。小さな世界で毎日すごすときに、大きい人も小さい人も等しく共感できるそういう瞬間があります。
 
 大人からの発信でなく、小さい人たちからの知らせを聞く喜びがあります。秋になり、幾分テラスが過ごしやすくなりますので、虫の声や色づいた葉っぱなど、季節の変化を肌で感じていきたいと思います。

文末の一言が

新しい月を迎えて 未分類

先日、うれしいことがありました。
保育園のポストに手紙が入っていまして、差出人は三月に卒園した小学一年生のTくんとご家族からでした。
しかも、わざわざ園まで届けてくださったようです。


“だいさんへいわほいくえんのせんせいへ
ほいくえんにいるとき、
そだててもらってありがとうございました。
〇〇しょうがっこうにいってから、
さんすう、こくご、どうとく、たいいく、せいかつ、
しょしゃ、おんがく、しゅくだい、けいさん、
などがんばっています。またきます。”

書き方ノートに丁寧に書かれた内容に、今のT君の様子が溢れていて、「うん、うん」とうなずきつつ読ませていただきました。お母様もT君が表現した内容に驚かれたようです。

わたしたちの施設は、学区の境目にある保育園です。
卒園すると複数の小学校に分かれます。お母様からの手紙からクラスに同じ保育園からの子はいないこと、それでも新しい関係の中で活き活きと過ごされていることが知らされました。
最近はメールのやり取りなどが多く、直筆で手紙を書く機会も少なくなりました。
瞬時に伝わる電子のものとは違った伝わり方が手紙にはあります。元気さや健やかさが字体にも表れています。
「またきます」の文末の一言がうれしいですよね。
いつでも待っています。
クラスには段ボールで作った赤いポストが置かれています。字やイラストを描いて、ポストに入れて、先生や子ども同士でのやりとりを楽しみます。
日常の遊びがいろいろな豊かさを含んでいることに感謝しています。

体が暑さに慣れる時期

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

第一月曜日はお誕生会の日です。
礼拝の後にみんなで「うまれるまえから」を歌って、祝います。誕生日カードは手形を押して、成長の記録を残すようにしています。あんなに小さかった手が、今では枠からはみ出てしまうのでは、と思うほど大きくなり、喜びを噛みしめるひと時ですね。
となりに座った4歳児クラスの子が、わたしの手と自分の手を比べて、「来年は先生の手と同じくらいおおきくなるからね」と教えてくれました。
またくらべっこができるように楽しみに待っています。

暑い夏がやってきました。
保育園から保護者の皆さんを「いってらっしゃい」と見送った後のことを思います。暑さの厳しい中、ここからお仕事先に向かう保護者の皆さんを想像し、頭の下がる思いです。
朝から汗びっしょりの子どもも多く思います。
この時期は子どもの体が暑さに慣れる時期です。
適宜冷房も活用しながらも、しっかりと汗をかいて体温調節できるよう、水分補給、着替えなどを充分にしていきたいと思います。
また、子どもたちが「自分でする」という機会をとおして、身の周りをきれいに保つことや自分のことを大切にする視点が養われていきます。
ゆったりとした気持ちで誘いかけ、子どもが納得するまで待つようにしていきたいと思います。
保育園では、子どもたちが楽しみにしている水あそびが始まります。安全に配慮しつつ、涼をとり、ひんやりとした感触に触れ、体をたっぷりとつかって遊ぶ体験を進めていきます。
おそらくは、お帰りの際の汚れ物が多くなる時期かと思います。
着替えのご準備などのご協力をよろしくお願い申し上げます

大人の側の

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

先月のペンテコステ礼拝にあわせて、どうしても赤い大きな花を飾りたいと、アマリリスの球根をクラスの保育者に託しました。水をやり、室内で日の当たる場所に置いて、様子を見ました。とてもよく咲いてくれました。
ただ、一週早く盛りを迎えてしまい、なかなか人の思い通りにはいかないことを知ります。
 
保育の毎日もそうです。
なかなか大人の意図したところに響かない場合があったり、また、たくさんの「ぼくはこうしたかったのに!」がぶつかり、トラブルになったりということもあります。問題の多くは、大人の側の即効性を期待する難しさにあると思っています。
伝えるタイミングや伝え方、伝える人、いろいろなアプローチがあって、良い方向を探ることが大切だと考えます。園では、怪我につながらないよう注視しつつ、子どもの思いには時間をかけて向き合うこととしています。
 
今月は個人面談をすごします。
新しい一日の生活が整ったところで、ご家庭とクラスの保育者と思いを分かち合う機会を持つことができて、うれしく思います。
すでに、ご家庭からいくつかの相談をいただいています。
あわせて、こちらもクラスでの様子をお伝えできればと思います。
 
6月、花の日礼拝をおこないます。
聖書に「野原の花がどのように育つのかを考えてみなさい。」というイエス様の言葉があります。
小さな野の草でさえ、神様は色どりや美しさをもって装ってくださいます。神様は私たちを顧みないはずはありません。
子どもたち一人ひとりの持つ美しさを喜び、
そして、神様はすべて違う仕方で育まれることを知ります。
良い時間がすごせれば、と願います

生命の勢いが溢れ

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

園庭の緑もぐんぐんと鮮やかさを増して、子どもたちの元気に呼応するかのようです。
もう既に庭のレモンの木にアゲハ蝶が来ています。
この夏にかけて生命の勢いが溢れ、毎朝子どもたちと何を楽しみとしようか迷うほどです。
天気の良い日は、園庭も屋上も一階のテラスもフル活用してすごしています。
乳児クラスは自分で靴を履くことが一つのハードルとなります。
ちょうど園庭に出る手前のベンチに座り、大人の手助けを待って、自分の靴を見つめたままの子どもがいます。ある時は待ってみて、ある時には手伝いをしながら・・・、子どもが自分でできる機会を守ることもクラスの課題です。

さて、先月はイエス様の復活の喜びを共にしました。
今月はキリスト教の三大祝日の一つペンテコステ(聖霊降臨日)を祝います。
イースターから50日目に目に見えない神さまの力が与えられた日を祝います。
この日から様々な国の言葉でイエス様を伝えていくことが始まったことから「教会の誕生した日」ともいわれます。
「聖霊が降った時、炎のような舌が分かれ分かれとなって、弟子たちの上にとどまった。」ことを記念して、赤いものを連想する飾りを用います。

「連休明けから、新型コロナ感染症も感染症法上の位置づけが変更されました。
ひき続き消毒、換気、手洗いの励行など、基本的な事項は続けてまいります。
礼拝の場でマスクなしで子どもたちの前に立つと、
あれ、せんせいマスクわすれてるよ!」と声があがりました。それだけ、マスク着用が習慣化しているのですね。
ときにマスクを外してすごすこともお許しいただき、
精一杯の笑顔で子どもを迎えます。

子どもの育ちの伝え合い

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

 これまでの自分の安心できる場所、人、時間が存在している。その自分の居場所から離れて、すごす。
 生活の場が徐々に広がって、保育園もその居心地の良い安心できる環境となりますよう丁寧に育んでいきたいと思います。
 そのために、子どもの育ちの伝え合いが不可欠になります。これから子どもの生きる力のすばらしさに感動し、喜び合う機会をご一緒させていただきます。
 長いおつきあいになります。
 どうぞ気兼ねなくお声かけください。
 よろしくお願い申し上げます。

 さて、この春の季節はキリスト教の暦では、復活日(イースター)が祝われます。
 イエス・キリストは十字架の死後、かたい墓におさめられ、三日目によみがえられました。
 この十字架のイエス様によって、一人一人が新しく変えらたことを喜び祝う日です。
 イースターのお祝いに、たまご探しのレクリエーションを行います。(たまごカプセルを用います。)
 たまごは復活の象徴です。たまごはかたい殻に覆われて、一見すると死んでいるようです。その中に新たな命の始まりが確かにあることから、伝統的にたまごを飾りとして用います。

共に育まれたことに感謝

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

 桜のつぼみも膨らみ、一気に春めいてきました。
 4月の頃は這い這いですごしていたひよこクラスの子どもたちも、今では自分たちの靴をもって、力強い足どりで園庭に向かいます。
 園庭に出ますと大きいクラスの子どもたち同士で、さんびか「ちいさいいのちが」を歌いながら、園庭の地面を掘り起こして、虫たちが目を覚ますのを楽しみにしている姿に、こちらもうれしくなります。
 目に見えない大切な世界に子どもたちが目を向けている。私たちが日ごろ子どもと共に心にとめたい点です。
 先日のおやこ交流会でのこと、お子さんと並んで立った保護者の方が自己紹介でこうおっしゃられました。
 「この子の好きなところは、私のことを好きと言ってくれるところです。」
思わず拍手をしてしまいました。
 親子でお互いに響き合っているという尊さに、保育者は励まされました。

 今月は、ばら組27名が卒園を迎えます。
 この保育園も生まれて6年。よい出会いが与えられ、保育者も子どもも共に育まれたことに感謝しています。
 「この子たちにできるだろうか」
 行事の企画や日常の保育者の提案に、何度心配し、その後に自分の想像力の未熟さを思い知らされたか、わかりません。
 この保育園を心の拠り所として、元気にはばたいていってほしいと願います。
 残りのひと月も、その日一日を丁寧にすごしていきます。

 春の穏やかさの中に今年度を無事に終える感謝を思って止みません。
 皆様、本当に一年間お支えをいただき、ありがとうございました。

おやこで喜びをご一緒に

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

 季節の暦のとおり、先月には厳しい寒さがきて、今週あたりから少しずつ春の兆しが見えてきました。これからは陽の暖かさにほっとする日も多くなりますね。
 小春日和の築山にひよこ組、うさぎ組さんがうれしそうに登ったり下りたりしています。
 
 先日、ばら組さんが下のクラスの子どもたちのために、出前コンサートをしてくれました。保育者に聞いたところ、おんがくの時間に教わったダンスとさんびかを自分たちから進んで見せたいと伝えてきたそうです。
「園長先生もよかったら、見に来られますか」と大人のようなお誘いかけに、うれしい思いで参加させていただきました。自信をもって披露したその姿に、しっかりと心が育っているのだと安心しました。
 
 保護者の皆様には先日の個人面談にて、貴重なお時間を頂戴しました。ありがとうございました。日頃、送り迎えの短い時間ではうかがい知れないお家での様子やご苦労などを聴かせていただきました。多くの励ましの言葉もいただき、感謝です。
「家庭ではどうしてもスマホに頼ってしまいます」
多くのご家庭のご意見でした。デジタル社会にあって、スマートフォンは欠かせないものです。
保育園の生活の中では、今のところデジタルなものに触れる機会はありませんが、やがて、そうも言っていられない時代がくるかもしれません。
 
 次のおやこ交流会では、「おやこで喜びをご一緒に」ということがテーマになっています。是非、子どもたちの日頃の活き活きとした姿をご覧いただくと共にお家の方も一緒になって、楽しい時間をすごしていただきたいと願っています。
保護者の方同士も、直接お話が弾むと良いと願います。
マスク越しでの交わりが続きますが、少しでもお互いを知る機会になりますように

« 古い記事