今はほうっておいて!

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

「よろしかったらお声掛けください。」
衣料品のお店などで、店員さんに積極的に声をかけられるのが苦手な方は、この言葉を聞くと安心する人がいます。
 その一方、店内を見て回るけれど、一向に声がかからず、聞きたいことがあってもお店の人がこちらに意識が向いていないために、そのまま帰ってしまうというケースがあります。
 さて子どもたちにとっての保育者はどうでしょうか。
乳児クラスの場合は、言語発達の未成熟さにあわせて、大人が気持ちを汲み取って言葉に変えることがあります。
 「積み木をながくならべたね。でんしゃかな。じゃあ、えきはこちらですよ」、
 「かしてって言えたね。今○○ちゃんは使っていたから、かしてもらえなかったんだね。かなしかったね。」などです。
 幼児クラスになると、自分の気持ちを自分で言葉にして表現するようになります。
 保育者は、「いつでも見ています。おはなし聴きます」のシグナルは送りつつ、言葉の先取りをしないように気をつけ、子どもたち同士、どのように話しているのかを見極めます。
 そう言いながら、わたしはつい先日、幼児クラスの子に、「●ちゃん、お給食を食べましたか」と声をかけたところ、「園長先生、今はほうっておいて!」と返ってきました。
 その子にとって、一人の大切な時間だったと後で思わされました。おせっかいの失敗談です。声をかけるタイミングも大切ですね。

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