こっちのおいもをひっぱるのをてつだってー

だいさんへいわ 新しい月を迎えて

十一月一日、ばら組の子どもたちと秋晴れの畑ですごしました。
お弁当のご用意ありがとうございました。
毎年、わたしたちの園の芋掘りは観光農園でなく、実際の農家の方の広大な畑に伺って、育った芋をつるごと引き抜くところから始めます。
今年もベニアズマの成育が良く、このところの雨を経て、さらに大きくなったとのことでした。
長いつるを引っ張って、いくつもつながった色鮮やかなさつまいもが顔を出します。
「だれか~、こっちのおいもをひっぱるのをてつだってー」
生まれたばかりの赤ちゃんを抱えるように掘り当てた芋を大切に抱えている姿が印象的でした。
「そっちは、よその家の畑ですよー!」
気がついたら、子どもたちは夢中になり、隣の畝(うね)まで掘り進めるほどでした。
園庭でも公園でも体験できない時間を、保育者と共に味わいました。
自然の中です。芋づるを持ち上げるたびに当たり前のように大きな虫や蛙、カナヘビもあらわれます。
ひとりの子がぽつりとこう言いました。
「この畑にはたくさん虫がいるっていうことは、お芋たちもさみしくないよね」
大人からはなかなか出てこない表現ですよね。感動をおぼえます。
子どもたちの心の中には、虫には虫の、芋には芋の豊かな物語があります。
目に見えない世界を子どもたちが見ていることに気づかされつつ、秋の収穫に感謝するひと月をすごします。

«